2007-07-30(Mon)
私の頭の中の消しゴム
アルバイトをしながら美術学校に通う25歳の香野可菜(深田恭子)が、背景画家をしている瀬尾諒介(及川光博)と出会ったきっかけは、商店街にある書店のシャッターに描き進められている絵を見たことだった。一目でその絵が気に入った可菜は、どんな人物が描いているのか、興味津々。偏頭痛で病院に行った帰り道、可菜は、作業していた諒介と初めて顔を合わせた。
やがて、愛犬と散歩中の可菜が、諒介のペンキ缶を誤って倒したりするうち、2人はデートの約束をするまで仲良くなった。可菜は、父・健一(布施博)、母・あづさ(田中好子)、大学生の弟・智史(中尾明慶)の4人家族。諒介と偶然会ったあづさは、好印象を抱いた様子だった。
2人が美術館でのデートを楽しんでいた頃、あづさと健一は、可菜の担当医で、脳神経科の神崎邦彦(船越英一郎)に呼び出され、衝撃的な検査結果を突きつけられた。脳のMRI画像を前に、神崎は可菜が若年性のアルツハイマー病だと告げたのだ。神崎の話によると、アルツハイマー病は、今現在、進行を遅らせる薬はあるものの、根本的な治療が難しいらしいのだ。あづさは、セカンドオピニオン、サードオピニオンに期待し、可菜には内緒で別の複数の病院を当たるが、診断結果は全て同じ内容だった。
諒介の仕事場にまで遊びに行き愛を育む可菜に、頭の中の病魔は徐々に牙をむき始めた。諒介とデート中の可菜が、突然意識を失って病院に担ぎ込まれたのだ。その2週間後、諒介から、可菜と結婚を前提に付き合いたいと申し込まれたあづさと健一は、心にもない理屈を付けて断わった。本当のことを知らない可菜と諒介は、何としてもあづさらに結婚を認めてもらおうと、一生懸命バイトに仕事に励むようになった。
そんな2人の様子を知ったあづさは、ある日、諒介を訪ね、可菜には黙っていて欲しいと口止めして、結婚を認められない理由を明かした。慌ててアルツハイマーに関する情報を集めた諒介は、考え抜いた末、何も知らない可菜の一途な愛に応えるため、将来の苦難を覚悟で結婚を決意。直ちにその思いをあづさと健一に伝えた。
1ヵ月後、可菜と諒介の結婚式が賑やかに行われた。しかし、幸せな時は長くは続かなかった。1年後、可菜の症状は急激に悪化し、物忘れのため買い物に行った家の近所からも戻れなくなったのだ。診察した神崎は、病気の進行が速まっていることをあづさに告げ、本人に早く知らせることを勧める。そして、あづさの了解を受けた神崎は、可菜に直接告知した。
説明を聞いた可菜は、アルツハイマー病が肉体的な死より、精神的な死が先に訪れる悲劇的な病気だと知り、ショックの余り病院を飛び出した。慌てて追いかけて捜し出した諒介は、別れようという可菜に対し、俺が忘れさせない、と約束した。
まもなく、2人は、1年遅れの新婚旅行を楽しむが、可菜の症状は次第に物忘れから“まだらボケ”状態になり、諒介のことすら認識出来なくなることが多くなった。精神状態が正常な時、自分の症状を自覚した可菜は、泣きながらある決断をして。
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